敷地は、"てんびんの里"といわれ、天秤棒一本で大商人となった五個荘商人がきずきあげた数多くの白壁、土蔵、舟板塀が建っていて、時間が止まったような、なつかしい日本の原風景が数多く残っているところです。 伝統的な風情のあるところに、無機質のコンクリートを建てるのには、抵抗もあるかもしれませんが、全てをコンクリートとガラスだけでまとめると、大地から根を張って出てきたような形が、おもいのほか自然で、景観も隣接する立派な瓦屋根と違和感なく調和しています。 コンクリートの塊を、分割することで、威圧感をなくし、人間の尺度にあったものになるように高さを抑えて水平線を意識できるようにしています。 南側は、中庭をはさんで、最大限解放されたものとして、また、外部階段からアプローチできるテラスが、内部と外部を分断しつつも、あいまいな空間となるようにしてあります。
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